当企業団を構成する三条地域は、新潟県のほぼ中央に位置し、日本最長を誇る信濃川とそれに合流する五十嵐川・加茂川が流れており、豊かな水と肥沃な大地の恵みにより、桃・梨をはじめとする果樹栽培や稲作を中心とした穀倉地帯が広がっています。また、東側には緑豊かな森林に覆われた丘陵地が広がり、福島県境までの山岳地帯は越後三山・只見国定公園、奥早出・粟・守門県立自然公園に指定されており、流れ出る豊富な水は当地域の貴重な水源となっています。
さらに、古くから地場産業が盛んで、和釘づくりの伝統を受け継ぐ利器工匠具や国の伝統的工芸品にも指定されている桐タンスなどは、当地域の代表的な特産品のひとつとなっています。
当企業団は、昭和50年に三条地域の5市町村(旧三条市、加茂市、旧栄町、田上町、旧下田村)が共同で、より安心で安定した生活用水の供給することを目的に設立されました。
設立当初、生活様式の多様化や生活水準の向上により水需要が増加傾向にあるとともに水道水源である河川水の汚染が懸念される状況のなか、各市町村が独自で新たな水源を確保し安定した供給を図ることは、財政的にも大きな負担が生じることから、県営事業によるダム建設に共同参画し、新たな水源を確保することにしました。
昭和54年度より国庫補助対象事業での広域化施設整備事業として施設建設工事に着手し、浄水処理施設の一部が完成したことにより、平成8年4月から一部供給を開始しました。
水源である県営大谷ダム上流は、広大な森林地域で良質な水を確保することができるとともに、取水施設から送水施設まで高低差を利用した自然流下方式を採用したことで、将来に渡っての維持管理経費の節減を図っています。
施設としては、取水施設1基、導水管6.4km、浄水施設(現在稼動1系列)、送水管58.3km、調整池10池で、計画の半分にあたる一日最大供給量30,420m³を合併後の3市町(三条市、加茂市、田上町)に供給しています。
今後、長期的な事業計画に基づき健全な経営を確保しつつ、全部供給に向けて事業の推進を図ってまいります。
事業の名称 | 三条地域水道用水供給事業(創設) (昭和51年1月10日事業認可) |
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計画目標年次 | 令和9年度(全部完成) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
水源及び 計画取水量 |
大谷ダム貯水池貯留水(直接取水) 計画一日最大取水量67,000m³/日 |
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構成団体及び 供給区域 |
三条市、加茂市、田上町(2市1町) (平成17年5月市町村合併、旧三条市・旧栄町・旧下田村) |
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構成市町出資比率 | 三条市82.86%、加茂市12.62%、田上町4.52% | |||||||||||||||||||||||||||||||||
計画供給量 |
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工期 | (第1期工事)昭和54年度~平成7年度 (第2期工事)平成8年度~令和9年度 ※ 平成19年度~平成28年度まで事業を休止(平成16年度再評価結果) |
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供給開始 | (一部供給)平成8年4月1日(供給能力30,420m³/日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
供給計画 | (全部供給)令和10年4月1日 |